2019.09.08 UPDATE 分譲マンションは運命共同体
私、この業界に入るまで、分譲マンションと賃貸マンションの区別がついていませんでした(苦笑)。
分譲マンションは、デベロッパー(大京とか穴吹とか)が建てたものを、1室ごと販売して、お客さんが購入して住んでいるものです。中には、購入した部分を賃貸に出している人もいます。分譲賃貸と言われるものはこれに当たります。所有者は、修繕積立金・管理費等を毎月管理組合に払う必要があります。
対して、賃貸マンションは、オーナーさんがマンション1棟を建てて、部屋を賃貸に出しているもの。こちらは、住んでいる人はオーナーさんに家賃を払います。
外観からだと、分譲マンションと賃貸マンションの区別がつきづらいケースもあります。今回は、分譲マンションの話。
分譲マンションは、プライバシーが守られていたり、近所づきあいもそんなに必要無いイメージもあったりしますが、実は運命共同体です。購入するときは、そういうことは分からないんですけど。
運命共同体というのは、共同で掃除をするとか、そういう意味ではありません。根本的に建物(マンション)という資産を共同で持っているので、共同で管理する必要があることを言います。それを管理するのは、所有者で構成する管理組合です。管理組合には、デベロッパーは入りません。所有者だけで、解決していかないといけないんです。
最近だと、横浜のマンションが杭が支持地盤に届いていなかったために、傾いて全棟建て替えになったことがありました。建物を共有しているので、建物に何か問題があったときは、住民同士で解決していかないといけないんです。
これの何が大変かと言うと、一戸建てだと自分の家に不具合が起きたときは、自分の責任だけで済みますが、複数人がいると、みんな意見が異なってくるんです。その中で1つの結論を決める作業が大変。それも全員素人で未経験ですから。
あと、大変なのが、修繕積立金と管理費のこと。滞納者が出たら管理組合で催促しなきゃいけないし、大規模修繕も素人集団である管理組合で決めていかないといけない。そしてお金の管理も必要になってきます。
分譲マンションは、年月が経つと建物の老朽化、住民の高齢化のダブルパンチに見舞われます。年月が経つと、管理費の滞納者が増えるし、いざ修繕と話が出ても、自分が生きてる間だけもってくれればいい、という考えて方になってきて、修繕も甘くなりがちになる場合も考えられます。
でも古いマンションは、立地がいい場所に建っているケースが多いのでまだいいのですが、新しいマンションで郊外に建っているケース、これが不安です。
あと、不安なのはタワーマンション。特に超高層のものは不安です。岡山には無いですけどね。縦に長いので大規模修繕の費用が高価になります。水道の配管が傷んだら、どうやって工事するんやろうと思います。また、住民が多いので管理組合が大規模になりがち。普通の分譲マンションよりも、意見が一本化しづらく、管理組合運営がスムーズにいくのか疑問に思います。
人口減少時代になって、分譲マンションに住むリスクも、ある程度は考える必要があると思います。だからと言って、リスクだけ考えていたら、どこにも住めなくなってしまいます。分譲マンションは、運命共同体なんだ、と思って住んでしまえば、問題等に早く気づいて解決できると思います。今回は、そういうお話でした。