収納について-家づくりメモ帳-

2019.09.07 UPDATE 収納について-家づくりメモ帳-

収納のイラストを探すと、見事に女性がみんな片付けしてるイラストばかり!片付け=女性という偏見は、頑張って無くしていきましょう。こういうところに出てくるもんなんですね。


さて、家づくりにおける収納の話です。私、結婚して子供ができるまで、「収納が必要=モノ持ちすぎやねん」と思っていました。たしかに、それは正解なんですけど、今は「子供ができるとある程度の収納は必ず必要になる」、に変わりました。


家づくりにおける収納問題、本当に厄介です。収納を作れば作るほど、収納に合わせてモノが増えるのは事実です。でも最低限の収納は必要。でも、家族構成も性格も違うのに、最低限の収納ってどれくらい必要なんでしょう。そこは、設計士とお客さんで話し合って、解決するしか無いんです。


・収納計画のために、収納を分けて考えよう

台所の収納(食器・調理器具・食材)
衣類等の収納(服・下着・タオル)
玄関収納(靴・傘)
リビング収納(文房具・爪切り類)
子供の収納(おもちゃ)
寝具の収納(布団・座布団)
家電の収納(掃除機・ストーブ)

家の大きさには予算で限りがあります。自分たちが、どの収納を重視するのか、をよく考えてください。とにかく収納を作っておけば大丈夫に違いない、と思う方もいらっしゃるのですが「モノを片付ける場所」を最初から作ってあげることが、片付けのコツなんです。がむしゃらに収納を増やしても、すぐに満杯になってしまいます。

持っているものをよく見ると「これは長らく使ってないから捨ててもいいな」「壊れてるけれど捨てるのが面倒だから放置してるな」とか出てくると思うんです。この際、思い切って捨てましょう。引っ越しするときが、一番モノを捨てることができますよ。


・収納をたくさん作るとコストアップします

冷静に考えてみてください。ただでさえ高い家づくり。ただモノを保管するだけのスペースにお金を払うなんて勿体なく無いですか?収納を減らして、その分人が生活するスペースを広げた方が、豊かに住めませんか?そこは、天秤にかけてよーく考えてくださいね。

収納について-家づくりメモ帳-1
1)フライパンやお玉などをバーのフックに吊り下げる収納
収納について-家づくりメモ帳-2
      2)棚板とハンガーパイプは取り付けたが、建具(扉)は省略



・見せる収納にするとコストダウン

収納の建具(扉)が意外とコストがかかります。なので、コストを増やしたく無ければ「見せる収納」と言うのも一つの考え方。
(1)の写真のように、キッチン壁につけたハンガーに、フライパンや調理器具を吊って収納するのも一つの方法。
また、(2)の写真のように、寝室にはお客さんは入らないから収納のハンガーパイプがつけるけれど、建具(扉)は省略してコストダウンをしたもの。これも見える収納です。


・実はウォークインクローゼットは非効率

みんな大好き「ウォークインクローゼット」。でも設計をしていると、ウォークインクローゼットは、面積の割に収納があまりとれません。人が奥まで入る通路がデッドスペースになるので非効率なんです。一番効率的なのは、壁一面が全部収納になっている壁面収納。ウォークインクローゼットの人が入るスペースをわざわざ作らなくていいので無駄な空間が少ないのです。これは、私も聞いたとき理解しづらかったのですが、何度も設計の打ち合わせの現場を見て、やっと理解できるようになってきました。


・収納の奥行は薄い方が使い勝手がいい

日本の押し入れは畳サイズなので、奥行きが90cmくらい。でもこの奥行が必要な収納は、布団だけなんです。収納のメインとなる、洋服や本などは、これよりも薄い収納で十分。奥行がありすぎると、かえって使い勝手が悪くなり、収納の中が散らかるという本末転倒なことが起きてしまいます。
収納について-家づくりメモ帳-3
3)コの字の木の板を作って「かご」におもちゃを収納 テレビ台に使っているのはボビーワゴン、この中には文房具や爪切りなどを収納
収納について-家づくりメモ帳-4
      4)小上がりの和室の下に大容量の収納


あと侮れないのが子供のおもちゃ収納。子供部屋にあれば大丈夫でしょ、ってそんな生易しいことありません。子供は、親のことが大好き。だから、おもちゃは、親がいるリビングで遊びたいんです。だから、おもちゃ収納はリビングに無いとダメなんです。
私も子育てをして、こんなにおもちゃで家がえらいことになるとは思ってもみませんでした。(3)の写真は、コストを抑えることもあってリビングに収納が無かったので、後から木の枠を作ってもらってカゴを購入し窓下を収納にしました。なかなか機能的で使いやすいです。
(4)の写真はリビングにある小上がり畳コーナーの下を、収納にしています。この形にしたとき、どうしても収納のしたについているコマが、フローリングを傷つけてしまいます。でも、これだけの量が収納できると、とても便利だと思います。



長々と書いてきましたが、収納計画はなかなか難しくて大変な作業です。収納があれば良い、という訳では無いことが分かってもらえましたでしょうか。
「片付け上手は捨て上手」とは、よく言ったもので、これを機会に、捨てる勇気を持つことは大切ですよー。モノを捨てると勿体と感じるけれど、保管するにもコストがかかるんです。

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